ままみの4室には現在木星が通過していますが、4室の象意とする所が肯定的に拡大されて、より意味を強めています。
4室に天体が集合している方の鑑定も続いたので、ちょっと考えてみたくなりました。
そうかな?と思われても、ひいき目に書いている所はご理解下さいね。

4室は家庭、心を許しあえる間柄の人間関係、生誕地など生まれながらに繋がりの深い場所、お互い分かりあって腹を出して無防備に寝れるところ、犬や猫がお腹を出してごろんとしているような、安心して全てをさらけ出せる相手。
言うなれば、ぬくぬくしたイメージのある場所なのです。
人生では保護が必要な幼少期と晩年を表し、どちらも布団に入っている時間が多いようなイメージ、あちらの世界に近い年代である事も見逃せません。
ハウスの流れとしては、あれこれ興味の赴くまま放浪の旅に出かけてしまい、帰る場所がなく心細くなりかけた双子座が、ICでやっと暖かい明かりを見つけ、家に辿りつけたのが蟹座の4室と言えると思います。
この家の仲間たちは、仲間に入るため一度自己喪失をし、固体的な意識は捨て去り、集合体としての意識を確認し合い、みな共通した気持ちを持っている事にとても安らぎを見出しています。
人は一人では生きていけない、存在自体を肯定し受け入れてもらえる、そんな場所や繋がりを欲しているのです。
4室のベースは共感が基本です。
自分が属する集団への愛情が豊かなのは、共感して同じことを考えてくれる仲間と言った認識があるからです。
同じ事を考えてくれる人、そうでない人の区別ははっきりしていますので、そうでない人には排他的になります。
これは、7室の外面的な人間関係や、8室の密室的で閉鎖された人間関係とも違っています。
他人から始まって一体化する8室とは良く似ていると思いますが、4室には、出生にまつわる縁故やルーツ、血縁的な要素が強いのです。

家庭は、野心的なものや進歩性とはかけ離れた場所かも知れませんが、平凡な毎日が続くような退屈な場ではあっても休息し、そこから生きる活力エネルギーをチャージするのでしたら、これほど重要な場はないでしょう。
4室は、社会的には軽視されがちですが、生活の基礎、人生の基盤を示し、何かあったら逃げ込める最後の足場、砦とも言うべき所です。

ここに重要な天体があると共感力が強いため、相手の気持ちと同化しやすく、嬉しい事も悲しい事も、気持ちが入ってしまう優しい人が多いです。
人の痛みを自分の痛みとしても感じてしまう、とても涙もろい方もいるでしょう。
また全く悪気なく、おせっかいな人もいるかも知れません。
面倒見の良い、昔の世話やきおばさんなどは4室的だと思います。
隣にどんな人が住んでいるのか分からないような都会暮らし向きではないし、田舎ののんびりした、ご近所同士の勝手知ったるといったムードに落ち着きを覚えるのではないでしょうか。
殺伐とした雰囲気やよそよそしさに耐えられず、あなたと私の仲じゃないのと、腹を割って打ちとけ合う事を望みますし、昔ながらの地域のコミュニティー、地縁、血縁を大切にするでしょう。
他人に無関心な現代社会の中では、寒々しく居心地悪く感じるはずです。

4室は一番底の、これ以上、下がない所にあって、自らも低い位置にいて相手を立てる方へ甘んじる事が出来ます。
和み系、癒し系で威圧感がなく、人に安心感を与えるムードの人が多いはずです。
その代わり表だってない所で糸を引き、周囲の人間関係に熟知し掌握しているような方もいると思います。
家庭でも、家族の幸せが自分の幸せ、美味しい物があれば、家族に食べさせて自分も満足するような、母親のような気持をいつまでも失わないでしょう。
めんどくさい掃除や洗濯、家事にもいそしむ事が出来るのは、自分を幸せにしてくれる家族の存在がとても嬉しいからです。
大好きな家族の幸せな顔を見たいから、家族を守るためなら、どんな敵とでも戦おうとするでしょう。
蟹座が感情的になって暴れる主なケースは、愛するものの存在を必死に守ろうとするためである事が多いと思います。

ハウスは生き方や場所、天体はエネルギーや主体性ですので、4室に吉星がある人は、こういったアットホームな生き方に対し肯定感を持ち、心地良く感じるでしょう。
凶星がある人は、家庭や地域的な繋がりと言った事に、何らかの否定的な感情や欠落感を持っている可能性もあると言った対比になると思います。
4室に太陽などあれば人生のテーマとして目指そうとしますが、もちろん現実に恵まれているかどうかは、他の星の配置などによって違っている事もあり、凶座相の場合不満を持ちやすいでしょう。
土星などがある場合、育った家庭にコンプレックスを感じていた方も多く、成長して独立したり結婚してから、理想の家庭作りを目指そうとします。
しかしそういった場合も、自分が親の年齢になる頃、親の立場になって自分が育ってきた家庭の事も理解するようになり、わだかまりも薄くなるはずです。
そして家庭は、くつろげる場である事から、お互いがつい我儘になりがちですが、家族がうっとうしい、あまり恵まれている感じがしないと思っている方でも、自立して一人暮らしを始めたり、家族が病気になったりすると、それまで当たり前と思っていた存在にありがたみを感じ、思いに変化が起きて、かけがえのない家族を大切にしたいと思われる方も多いでしょう。

また家族と団結したり、一緒に生活する事が苦痛な方もいると思いますが、その場合でも4室が強ければ、やはり家族以外の集団や、帰属する心の拠り所を見つける事にエネルギーを注いでいる事が多いようです。
そして、安息の場であるはずの拠点に、極端性や異変などを表す冥王星があれば、やはり厳しい体験をしがちなのではないかと思います。
4室は月、蟹座との関連がありますので、月にハードなアスペクト、蟹座の天体に冥王星との凶角を持つ場合も、同じ事が言えるでしょう。

またチャートの持ち主から観た人物が、どこのハウスに入っているかによって、どのような生き方をしているか読めますが、太陽が4室にある場合は、やはり腰が低めで優しく家庭的な父親や夫が、家の中にいると言う配置です。
吉座相の場合、家でのんびりくつろいていたり癒しの存在になっている事が多いですし、凶座相の場合、何らかのトラブルがありそうです。
月が天王星と合して10室にあり、4室の太陽とタイトに180度と言う配置を持った方は、両親が反目し合い、バリバリ働く母親が、気弱な父親を見下しているのが辛かったと言われていました。
太陽と月の120度の関係は、和気あいあい、お互いを理解しながら助け合っていける図ですし、合している場合は、仲良く寄り添っているような図です。
合している太陽と月では、どちらか先に進んでいる方へ後から付いていく天体の方が、エネルギーを取られ犠牲になるとも言われていますが、意志を一致させたご夫婦で、尽くす事も厭わないタイプでしたら、あまり不満も出ないのではないかと思います。