前回の続きで大運図の吉凶を判断する「四時(ヨモ)の吉凶」についてです。#59092;

 これによってその命式の人が大運図のどこを巡るのが良いがが判断できます。またここに出てくる木火土金水は五行の事であり、木が多ければ良い、というのは木行の干である甲乙が命式中にあったり、また行運で巡ってきたり、東方木運の十二支(寅、卯、辰)に巡るのが良いという事です。 まず五行の考えが基本ですが、気学のように単純に相生しているのが良いという見方はしません。 季節によっては五行の気が旺じ過ぎる事もあるので、その場合は制していくことも大切ですので相剋の関係も吉ということもあります。四柱推命はバランスを重視して見ていくことが必要なのです。

春の木(生まれ日が甲、乙で寅、卯、辰月生まれの人)

春はまた寒さが残っているため火運が最良です。木が伸びるために程良く水も必要ですが、まだ寒い寅月生まれには多いと根が腐るので良くありません。辰月生まれは根が乾きやすいので水と両方大吉です。金は伸びたばかりの木が剋されるので凶。また土が多すぎると発芽するのに骨が折れるので少ない方が良いのです。

夏の木(生まれ日が甲、乙で巳、午、未月生まれの人)

夏は根が乾きやすいので水が大吉です。次に金と土。金は金剋木ですが、全くないと山の名木は加工され人の役に立つような道具として使いものになりません。火は炎上するのでもちろん大凶です。

秋の木(生まれ日が甲、乙で申、酉、未月生まれの人)

初秋の申月生まれの人はまだ日差しが強く火気が強いため、水が盛んであるのが良いのです。酉月生まれの人は金が強いので多すぎると逆に木が弱まります。なので金を溶かす火、金の力を漏らして弱める水が良いという風になります。冬に近づく戌月生まれの人は火の力も弱まりますので火が盛んなのが良いのです。水が多いと木を腐らせるので良くありません。

冬の木(生まれ日が甲、乙で亥、子、丑月生まれの人)

冬は木の精気が根に集まるので、土が多く根を保護するのが良いのです。また火が強いと根を温めてくれるので大吉です。水は多いと根が腐るので凶。金は冬なので力が弱く、多くてもあまり害はありません。

春の火(生まれ日が丙、丁で寅、卯、辰月生まれの人)

春は木の生育が盛んで、火の働きも活発になります。木が多すぎると木生火で炎上します。なので火と木が強すぎるのも良くありません。水が適度にあれば火を調節してくれる事になります。土は多すぎると火の光がおおわれるので良くありません。金は財星ですので春の火によって鍛錬されます。金は多くても差しつかえなく財運が盛大になります。

夏の火(生まれ日が丙、丁で巳、午、未月生まれの人)

火の力が極まっていますから、水の剋があれば炎上を免れます。従って水が大吉です。木は炎上を助けるので大凶です。金は火によって鍛錬されますので財運が良くなります。土は夏の火と共に作物を生み出す力を与え収穫が多くなるので吉。このように金と土は吉ですが、火運や木運に巡ると災厄となります。

秋の火(生まれ日が丙、丁で申、酉、未月生まれの人)

秋は涼しくなり酉月生まれは水を欲しません。水は弱まった秋の火を消すので凶。木生火で木の助けがあると大吉です。土が多すぎると弱い火の光がおおわれるので凶です。金が多すぎると、金生水と水を生じるため凶。火の比和も、火の勢いを助けるので吉です。

冬の火(生まれ日が丙、丁で亥、子、丑月生まれの人)

冬の火は最も弱い火なので、木生火で木の助けがあると大吉です。水は弱まった火を消すので大凶。土は水を剋すので吉。火の比和も、火の勢いを助けるので吉です。金は火の鍛錬が弱いので大した財運を生みません。金は水を生じるのでかえって災厄となります。 

春の土(生まれ日が戊、己で寅、卯、辰月生まれの人)

春の土はまだ寒いので火が欲しい時です。そして火は土を相生してくれます。従って火運に巡るのが良いのです。木は多いと土を剋するので凶。比和の土は吉。金は木を制するので吉ですが、多すぎても土の力が漏れるので凶です。

夏の土(生まれ日が戊、己で巳、午、未月生まれの人)

夏の土は乾きやすいので、水で潤されるのが大吉です。水は財星であるので巡ると財運があります。火は土の乾燥を助けるので大凶。木は火を生ずるから凶。金は水を生ずるので吉。財運があります。土の比和があると物事の運びが滞りがちに。その場合木剋土で木があると良いのです。

秋の土(生まれ日が戊、己で申、酉、未月生まれの人)

秋はまだ暑く水が欲しいところです。また土の子の金が旺盛で、多すぎると弱っている秋の土がひどく漏気するので金は凶。しかし木が多い場合は、金が木を制してくれるので逆に吉になることもあります。火は弱っている土を助けるので吉です。

冬の土(生まれ日が戊、己で亥、子、丑月生まれの人)

冬の土は表面が冷えていても内部が温かいので、冬生まれの土性の人はそっけなく見えても内心は温かい人です。冬は水の勢いがあり財星にあたるので財運が豊かですが、多すぎると冷えるので凶。金は水の財を生じて吉。火が旺盛であっても冷えた土を温めてくれるので吉。木も火を生じてくれるので吉。比和の土は生まれ日の天干を強化してくれるので吉です。どの五行が来ても割と安定しています。

春の金(生まれ日が庚、辛で寅、卯、辰月生まれの人)

春は余寒のために金が冷えているので火が大吉です。また木の助けがあると火を生じるので吉。春の金は柔弱なので土の補強があると吉。また水に遇うと金寒水冷になるので大凶。金が弱いので金の比和があると助けられます。

夏の金(生まれ日が庚、辛で巳、午、未月生まれの人)

夏は金が極めて柔弱なので火に巡ると凶です。水は火を制して吉。木は火を生ずるので災厄がありますが、木は金から見て財星なので、財運はあります。金の比和は金を補強するので吉。土は金を生じますが、多過ぎても金が埋没するのであまり良くないのです。

秋の金(生まれ日が庚、辛で申、酉、未月生まれの人)

秋は金が最強の時期なので、火によって鍛錬されれば逸材の人物に。なので火が最良です。土が多いと強い金がさらに強くなり物事が滞るので凶。水は強い金が漏気になるので吉、発達運になります。比和の金が加わると、金がますます剛金になり災厄があります。性格も極端だったり冷徹になるので過剰は良くありません。

冬の金(生まれ日が庚、辛で亥、子、丑月生まれの人)

金寒冷水の時期で金が弱いので、木が多いと金が木に負けるので凶です。冬は水の力が旺盛なので、水に遇うと金が沈み使えなくなるので凶。土は水を制し、金を保護するので吉です。火と土が一緒にあると接続の生になって根のある金を生じるので、土も金も共に発達出来ます。比和の金の助けも吉です。

春の水(生まれ日が壬、癸で寅、卯、辰月生まれの人)

春はまだ土の力が弱く水が氾濫しやすいため、さらに水運に遇うと決壊するので凶です。この場合土の助けがあると助かります。金は水を生み出してくれるので歓迎なのですが、多すぎると洪水になるので良くありません。火は水にとって財星です。なので財運がありますが、水と火はバランスが良い事が望ましいので、多すぎても日上がってしまい良くありません。全てにおいて土があると安定します。土がないと水が散漫になります。

夏の水(生まれ日が壬、癸で巳、午、未月生まれの人)

夏の水は水源がないと涸れやすいので、水運と金運に遇うのが大吉です。土が旺盛であると水が濁り水流を妨げるので凶です。また火は水の枯渇を促進させるので凶。木は水の力を奪うので凶です。

秋の水(生まれ日が壬、癸で申、酉、未月生まれの人)

秋は母の金も、子の水も共に旺盛です。金の助けがあると水が清く澄むので吉です。土が多いと水が濁るので凶。火は財星に当たるので、火が多いと財運が盛大になり吉です。木は火の財星を助けるので発達運です。水が多いのは洪水になるので大凶ですが、この場合土もあれば助かります。

冬の水(生まれ日が壬、癸で亥、子、丑月生まれの人)

冬は水の勢いが強いため火に遇うのが大吉です。土が多いと水を剋して滞らせ、物事の運びがうまく行きません。金は水の勢いを一層助けるので無軌道となって凶です。木は強い水の力を漏らすので吉。強い水にさらに水が加わるのは洪水となるので凶。この場合は土があってせき止められるのが良いのですが多すぎても水が流れなくなるので凶になります。

以上の「四時の吉凶」によって、その命式がどこを巡るのが良いかが判断できます。例にとると「夏月の木」の生まれの人は、初年期から人生の中の大切な60年間を、西方金運と北方水運を巡るようであれば、相当に幸福でまた発展や成功ができるものと判断します。しかし仮にその人の人生が、大切な60年間を東方木運や南方火運が巡るようであれば、人生には障害や辛酸が多く成功は難しいとみます。ここに推命の、命式に30%大運に70%の比重を置く理由があります。人生には最も大切な時期というものがあるからです。しかし誰でも絶好調と言えないまでも、無難な30年間は必ず巡ってきますので、そういう時期までに努力を忘れなければ、 遅くなって大成する人ももちろんいるのです。

自分にとって必要な五行、厄になる五行を知って頂き開運に繋げて頂けたらと思います。しかしここにある日干と月支の関係だけでなく、本来は命式の八字を見ない事には精度の高い判断ができません。やはり五行のバランス関係を詳しく調べてから判断するに尽きると思います。また春は木が旺盛、夏は火が旺盛、というのは五行にはそれぞれ季節によって、旺、相、休、囚、死あり、力が旺盛な時~衰退している時があるためです。

また未来予測法として、占星術と一緒にみた場合、太陽、月に軌道の大きなマレフィックがハードアスペクトを取った時期と、推命での災厄の時期とが重なった場合、必ず何かあると思って間違いありません。特に大運、歳運、月、日と厄になる五行が重なれば重なるほど怖いのです。これは経験から言っても大打撃が起こる可能性があるので充分注意が必要です。

四柱推命は仕事、結婚、離婚、病気といった形として見える、外からも分かりやすい出来事を良く当てているという実感があります。しかし命式から内面的な事まではあまり現われてきません。例えば年柱に正官-印綬の組み合わせで、幼少時から順風満帆、官公庁に努めエリート街道を歩んでいる人でも、内心は親の勧めなどで、しぶしぶその道に進んだりする人もいると思います。そのしぶしぶの部分は占星術のチャートの方で現われている事があるのです。細かい心情、性格の変化、移り変わりと言った事は占星術の意得意分野なのです。どちらの占いも、運気の状態や行動を起こすチャンスなどを知って開運に役立ってくれるものだと思っています。#59093;

追記。。生まれ日、生まれ月の干支がお分かりにならない方はこちらで無料で調べられるようなので利用してみて下さい。http://www.koufuku.ne.jp/maniacsuimei/

また大運も出してくれるサイトもいくつかあるのですが、計算方法のためか違う結果で出てしまいます。私はスターゲイザーで命式を出しておりますが、上のサイトはこれとほぼ一致した結果が出てきます。