鳥のように空を飛んで ありがとうを届けたい
太陽のような笑顔になって ありがとうを届けたい
風になって みんなの耳元にありがとうを届けたい

ありがとうありがとう 言い尽くぬありがとう

ありがとうの「あ」は あたたかい心 あたたかい食べ物  あたたかい衣類をありがとう
ありがとうの「り」は りっぱに復旧、復興するために助けてくださった皆さんにありがとう
ありがとうの「が」は 「がんばって」と声をかけてくれてありがとう
ありがとうの「と」は とつぜん 何もかもなくなったけれど 世界の人が支援してくれてありがとう
ありがとうの「う」は うれしかったよ  歌が歌える気持ちが少しずつ出てきたこと

「化粧でもしてみうかな」という気分になれたこと
みんなの支えがあったから ありがとう
いつか恩返しが出来るかな 「元気でいることが恩返しなんだよ」と言ってくれた

先日のNHKのあさイチで、被災地からの感謝の言葉を綴った、宮城県名取市の仮設住宅に暮らしている、高橋久子さんの詩を紹介していました。


命も財産も、日常も、大切にしているものを容赦なく奪い、悲しみや絶望を置いて行ったあの大震災から、10カ月過ぎましたが、大勢のボランティアや、支援されている方々、応援している世界中の人々によって、暗いトンネルの中から、少しずつ希望の光が見えて来ているのを感じました。

たまたま私は、関東地方に住んでいて今回地震に遭わなかっただけ、だから普通の生活が送れているに過ぎません。
この詩に込められる気持ちの重さは、本当のところ、分からないのかも知れません。
災害に遭った人だけが見えるさまざまな事は、見たくない悲しみや辛さまでを引き受け体験してこそ、引き換えに得られるもの、それはもしかして、別の次元の喜びに代わっていける可能性を持っているのかも知れない、というのを教えてくれていると思います。

全ての事に感謝している高橋さんの詩は、私たちにも、普通に暮らせる事の幸せを呼び起こしてくれて、困った時はお互い様、一人ではないのだと気付かせてくれて、素直な気持ちを呼び覚ましてくれて、こちらも感謝をしたくなるような詩でした。
嬉しいような、心が洗われるような、心に沁みる涙を流していたので、また読みたくなると思い記事にしました。

震災から、もうすぐ1年が経過しようとしていますが、このまま記憶が薄れてしまうのか、あの震災をきっかけに学んだ事を、私たちは、これからも活かし続けていくことが出来るのか、その気付きを先日の番組は教えていたように思いました。

震災をきっかけに、大小の地震も頻発して起きるようになりましたが、これを受けて東京大学の地震研究所では、今後、南関東地方のM7程度の地震が起きる確率は、4年で70%と算出されたそうです。
明日あってもおかしくないという地震、今私たちに出来る事は何なのかというのを、被災された方たちは、沢山の事を教えてくれていると思います。