子供の様な純粋な魂を持って、脆く儚く生きたマリリン。
死すべき人間の領域を超え、永遠の姿を人々の心に刻みましたが、決して特別な女性という訳ではなかったのです。
愛される事を渇望しながら、言い知れぬ不安と孤独に立ち向かうためドラッグを頼っていた、ごく普通のか弱い女性でした。

ただガタイが良かったりするだけの星の数ほどあるグラマー女優とは全く違う、繊細な愛らしさ、イノセントな魅力を持ったマリリンの様な女優を私は他に知りません。

未完に終わった「女房は生きていた」Something's Got To Give(62年)の貴重なカメラテスト映像。
どのような印象をお持ちになりますか?

映画のために7キロやせ、目を見張るほど美しくなったマリリンは、まるで女神のように輝いていました。
おそらく薬の過剰摂取による混濁した意識だったのでしょうか・・・
血が通って生きているこの世の人とは思えない、透き通った眼差しをしています。
衰弱した神経の、ガラス細工の様な危うさ、痛々しさが伝わって来ます。

この4カ月後、生涯で最高に美しい姿のまま天国に召されました。