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沖縄へ行ったら 美輪明宏作 [雑記]

沖縄へ行ったら      美輪明宏作


もし、私が沖縄へ行ったら
人と生まれて恋を知らず語れず
緑の山や真砂の浜へ
何も言わず私達の防波堤となって
消えて行った健児やひめゆり達に
腕一杯の花を持っていこう。
あの世の公園で
知らなかった恋に
顔赭らめる若者達を
援けるために。
もし、私が沖縄へ行ったら、
散歩に疲れた恋人達のために
甘い紅茶やフランスケーキを
ゲートルやモンペを脱がせて
細いズボンや花模様のドレスを
戦闘銃の代わりに
ゴルフのクラブを
手榴弾の代わりにボーリングのボールを
火焔放射器の代わりに玉屋の花火を
水の代わりに三々九度の灘の生一本を
鉢巻の代わりにシルクハットとウエディングベールを
爆音の代わりに甘い音楽を持って行きたい。
それらを私はお墓の前に
そっと置いた後
やがて、必ず観るでしょう。
何百何千という若者達が
真っ白なウエディングドレスと燕尾服で
互いに手をとり合い
あの沖縄の碧い
海の中から現われて
光り輝く空の彼方へ
高く高く昇って行くのを
天使達の大合唱に守られながら。



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今日は、沖縄慰霊の日でした。
私のバイブルとも言える、美輪様の「紫の履歴書」より引用させて頂きました。
美しい言葉によって綴られた、この自叙伝には、情緒的でやさしい散文的な詩が散りばめられています。
この詩を読むたびに、涙が滲み出てきます。

時代や場所が違っていたら、きっと明るい青春を謳歌していた純粋な若者達が、
家族や友人とも別れ別れになり、自らの命を絶って、散らなければならなかった。
平和な時代を全く知る事なく、人生の楽しさなどを味わう事なしに。。

二度と悲しい戦争は起きて欲しくありません。
もし本当に神様が見守っていらっしゃるのなら、
若者達は、きっと天国で幸せな時を、思い思いに過ごしているに違いない。
愛する人と一緒に過ごしているに違いない。

私も美輪さんのように思っています。


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