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「モンマルトルの丘」「クロパン・クロポン」 [音楽]

深まる秋には、美しい情景が思い浮かぶシャンソンを聴きたくなります

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「モンマルトルの丘」 コラ・ヴォケール



名もなく貧しい行きずりの乙女に、詩人が恋をする切ない歌。

1954年の映画「フレンチ・カンカン」の主題歌。
作詞は、印象派の画家ルノワールの次男で監督のジャン・ルノワール。
作曲はオペレッタや映画音楽の分野でも活躍したジョルジュ・ヴァン・パリス。
「サン・ジェルマン・デ・プレの白い貴婦人」という異名を持つコラ・ヴォケールは、この映画の歌の吹き替えで成功のきっかけを掴みました。



サン・ヴァンサンの街角で
かの詩人が名も知れぬ
女と過ごした一時の
逢瀬は二度とめぐり来ず
春の朝今ひとたびの邂逅を
何処かの街の片隅に
詩人は女を偲びつつ
託した夢がこの愛の歌

蒼ざめた月の光は
髪飾をのっけた
お前の栗色の髪に
赤茶けた月の光は
泥んこの汚点をつけた
お前の透けたペチコートに
白い月の光は
お前の淫蕩な蛋白色の瞳を
優しく愛撫した
傷ついた私の心深く
しのび込んだ
街の女王様
貧しい者には
丘への石段は厳しいが
愛する者には
風車の羽は格好の隠れ家だ

私の手をまさぐる
お前のちいちゃなお手
ちいちゃな乞食よ
私の悲しみを拭う
お前の胸のふくらみと
お前のか細い体よ
私の唇に触れた
お前の熱い吐息
いじけた赤ちゃん
私を滅ぼす
泥酔に似た
お前の愛撫よ
貧しい者には
丘への石段は厳しいが
愛する者には
風車の羽は格好の隠れ家だ

だがそぼ降る雨に
月は隠れ
王女様、お前も消えた
月のない夜空に
私の夢ははかなく去り
さめざめと泣いた



「クロパン・クロポン」 ピエール・デュダン



題は足の不自由な人が歩く様子を模した擬音語。
どうにかこうにか、と言う意味もあります。
若い頃の夢も消えて、とぼとぼと敗残の人生を送るわびしい心境の歌。

シンガーソングライターのピエール・デュダンと、オランピア劇場の支配人だったブリューノ・コカトリックスとの合作。
英語歌詞では「コム・シ・コム・サ」という題でヒットしました。



僕の眼は天使のように可愛くて
えくぼもくっきり出ていた子供だったのに
おしめが取れたら頬もこけ
おもちゃも全部壊したさ
鏡に姿を映してみると
夢を見ていたことがわかったんだ
この顔にもなれなきゃなと一人つぶやく
なんとかなるさ・・・

足は重いけど出て行くよ
太陽と風を浴びながら
ときどき心はぐらつくけれど
思い出が多すぎて
足は重いけど出て行くよ
子供の気持ちのままで
ツバメが飛ぶみたいに
人生はすばやく逃げて行くから
子供のような心にはとてもつらいんだ
足は重いままで去る者にはね

二人で幸せだった日々
きみの柔らかい唇と、はちみつみたいに甘い香り
窓に額をくっつけあって
僕たちの視線は空に消えたんだ
駅では黒い列車が大きな音を立て
通りはむなしいくらい空っぽ
きみからさよなら、わからない言葉
手紙が来なくなってから、もう半年だ・・・




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紙兎ロペ ~ジョイフルランドの歌~ [音楽]

ようこそ~、ジョイフルランド~♪
映画紙兎ロペの「つか夏休みラスイチってマジっすか!?」に出てくる脱力系ソング

ジョイフルと言えば三ノ輪橋を浮かべるままみですが、6時47分くらいになると家事の手を休めて、めざましテレビの前に張ってロペが始まるのをスタンバります。

ジョイフルランドは閉鎖されてもう大分経つらしく、歌には哀愁が漂っています。
パンチパーマのお父さんにつれて行ってもらった思い出を回想するシーンで流れます。

突然クイズ!アキラ先輩んちの工場は何を作っている工場でしょうか。(答え一番下)





「ファミレスのレシート 入れておく、なんか透明なちっちゃい筒あるじゃないですか、
あれを作ってます・・・」
(アキラ先輩談 しかも国内シェア93%だそうです)


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バイアーナの心  [音楽]

バイアーナの心 ~「海の奇跡」より~




バイアーナの屋台で売っているものは
ヴァタバー、カルルー、ムングンザー
イオイオ(バイーナの若者)のための惚れ薬
もしお願いしたときはぼくにおくれ
きみの心を、イアイア(バイーナ娘)の愛を

バイアーナの心にあるものは
誘惑、魔法、夢、カンドンブレ
あなたのために
神に誓って、ボンフィンのキリストに誓って
どこからどこまでバイーナ娘のきみが欲しい
ええ、でもそのあとは
わたしたちふたりはどうなるの?
愛とはこんなにはかない、嘘つきのもの
ぼくはすべてをした、まじない師の所にまで
行った、僕の荷物を
きみと一緒にするために
でもそのあとで
また夢だったのだと気がつくはず
愛を支配するのは心なのだから



歌詞にちょっと解説を付けると・・・
ヴァタバーは、エビや魚やココナツミルクを煮込んで米粉の団子。
カルルーは山菜とエビの煮込み。
ムングンザーはトウモロコシとココナツミルクのスープ。
カンドンブレは、アフロ・ブラジル(アフリカの影響を色濃く受けたブラジル文化)の
宗教儀式で踊られる神々の踊り。

サンバ・ブラジルの作者、アリー・バローゾは、ブラジルの魅力はバイーアにあると気づき、
数多くの曲を作りましたが、その中の一つ。

バイーアはサンバの発祥地、ブラジルの北東部に位置する乾燥した貧しい地域ですが、
奴隷時代の足跡、強力な黒人文化が今に残っています。
ブラジルの最も美しい海岸線を持った、観光地としても人気の地方です。
ポルトガルの哀愁とアフリカの郷愁がミックスしたような、懐かしい雰囲気の街を想像します。


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「海の奇跡」は、ジョアン・ジルベルトが、軍事政権下での活動の苦悩を乗り越えた、若手のカエターノ・ヴェローゾ、その妹、マリア・ベターニア、ジルベルト・ジルに声をかけて作ったコラボレーションアルバム。
80年制作作品。
誰が言ったか「ブラジル音楽の聖書」と呼ばれており、歴史的名盤には違いないと思います。
収録曲は6曲なので、すぐに聞き終わってしまうけれど、1曲1曲が粒ぞろい。
美しく穏やかな海上の、風の音を聞く様な心地がします。
海から浮び上がったようなメロディ、透明感のある素敵な作品ばかりです。






ガル・コスタとカエターノ・ヴェローゾの「ノ・タブレイロ・ダ・バイアーナ」

髪型の面積と柄物の衣装が、とっても濃ゆーい2人ですが、カラオケのようなノリで歌っていて楽しそう☆


ここで、ちょっと軍事政権下のMPB(ブラジルのポピュラー音楽)事情ですが。。

ガル・コスタと、陽気に歌っているカエターノ兄さんですが、
60年代、MPBの革新を目指したトロピカリズモというムーブメントが、ブラジルの軍事独裁政権に対抗するとされたため、彼の歌は軍当局から度々検閲を受けていました。
それでもカエターノは、国際歌謡フェスティバルに出場し「禁止することを禁止する」を歌い、ジルベルト・ジルと共に、反政府活動のかどで刑務所に。
4カ月にも渡る過酷な投獄生活で、PTSDになってしまいます。
その後国外追放され、イギリスで亡命生活を送る事になりますが、この間ロンドンでロックだけでなく、レゲエなどのカリビアン音楽など、幅広いジャンルの音楽に触れ、大いに影響を受けたのです。
人生、塞翁が馬。
亡命した事で、カエターノの音楽性は一層豊かに広がりました。
その後当局と掛け合って、帰国のきっかけ作りをしてくれたのが、大先輩のジョアン・ジルベルトだったそうです。

帰国後のカエターノは、以前の様な曲を書く事はもうありませんでした。
曲を自由に発表できないご時勢の中で、活動を続けるために、抽象的で難解な曲作りをします。
当時、多くのMPBアーティスト達は、表現の自由が許されない検閲から逃れるため、彼と同じように難解な歌詞作りをしました。
MPBの持つ深みと哲学性。
暗殺事件もはびこる危険な時代では命がけです。
祖国に嫌気がさし海外移住したジョアン・ジルベルト。
やはりイギリスへと亡命したナラ・レオン。
それぞれが、苦悩する時代であったと思います。

軍事政権の時代が終わるまで、MPBアーティスト達は、複雑で厳しい現実を抱えていたのです。
MPBの芸術性は、このような葛藤や苦悩が磨き砂になったのかも知れません。
皮肉な事に、1985年、支配していた軍事政権が終わりを告げると、一旦MPBのブームは去っていきます。

ブラジルの、このような事情を知るまで、全くそれを感じさせないMPB。
風の様な、軽やかで美しいメロディは、いつまでも私たちを楽しませてくれます。



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「メニルモンタン」「わが愛するパリ」 [音楽]

「メニルモンタン」 シャルル・トレネー

メニルモンタンは、パリ東北部の労働者街で、世界的なエンターテイナーとして有名なモーリス・シュヴァリエの生まれた所。
これはシャルル・トレネーが、自作の「喜びあり」を創唱してくれたシュバリエへの感謝をこめて、彼に捧げた歌です。





メニルモンタン、もちろんですとも、マダム
そこに僕の心は残してあるんです
そこに会いにくるんです、僕の魂と
僕の全ての熱情と
僕の全ての幸福に会いに・・・
僕の小さな教会にまた会うと
にぎやかに結婚式の行列が通る教会に会うと
僕の住んでいた古い灰色の家にまた会うと
そよかぜさえも
昔を語りかける家に会うと
それらは僕に話してくれるのです
昔と同じように
美しい物語を
過ぎ去った美しい日々がよみがえります
逢いびきしたひととき
あの音楽
夢みる瞳、あのロマンスが、全部
あの詩的で感動的なラヴ・ロマンスが、全部
メニルモンタン!

おひるになると
またにぎやかな生活が始まります
色々な音が聞こえます
無数に反響して
お針子がスナックでおひるを食べ
受付嬢は
新聞を読みます
ここに、緑色の塗った鉄の柵
ここに開いた扉
それはちょっときしんで<今日は、今日は
じゃ君は帰って楽しんだんだね>と言います

僕の小さな駅にまた会うと
どの電車も楽しげに発車して行く駅に会うと
僕はその騒音の中に聞くのです
ふしぎな言葉を
別れの言葉を
僕は詩人じゃないけれど
でも感動してしまうのです
それに僕の頭の中には
決して消えない思い出があるのです
冬のある晩のこと
音楽
ママ、あなたのやさしい眼
何と美しい愛の物語だろう、詩的な
そして感動的な
メニルモンタン!



「わが愛するパリ」 モーリス・シュヴァリエ

彼を主役にして、1929年にハリウッドで製作された「ラヴ・パレード」の主題歌。
トレードマークはカンカン帽と蝶ネクタイ。
シュヴァリエは、フランス、アメリカをまたにかけて活躍したエンターティナーです。
貧民街に生まれ苦労が絶えなかったそうですが、10歳の頃から芸人としてデビューし、明るい歌声を振りまいていました。
10代の終わりには毎夜、舞台演奏が行われるフォリーベルジェールの舞台にも立ち、大戦にも従軍しましたが、カムバックしたあとは名声が海外にまで及び、ハリウッドからも熱いラブコール。
数々の映画に出演しました。

映画「ザッツ・エンタテインメント」シリーズの中で観るシュヴァリエは、やはり屈託のない笑顔と、いたずらっ子のようなまなざしで、魅了されてしまいます。
映画の中の彼は、粋で陽気なこれぞパリっ子、もっと人生を楽しもうよ!と微笑みかけているようです。





ああ、僕のパリ、理想の都市よ
今夜ここを出発しなければならない
さらば、僕の美しい首都よ
そうじゃない、また逢う日まで

パリ、お前を愛してる
愛してる、愛してる
お前に陶酔している
愛人と同じように
お前は僕をすぐに忘れてしまうだろうが
僕の方はお前と別れるのが辛いんだ
お前にこう言えるよ
お前の微笑が
僕の魂を奪ってしまったと
まるで女のように奪ってしまったと
僕の心の全ては永遠にお前のものだ
パリ、お前を愛してる、そうだ心から

パリ、お前を愛してる、愛してる
愛してる、愛してる
判っておくれ
愛してると言っているんだ
ほら
数多くの女たちを愛したけれど
彼女達は僕をすぐに忘れてしまうだろう
だが、僕のほうは彼女達の接吻を
長い間思い出すことだろう
次々と
金髪や栗色の毛の女達が
僕に言葉にあらわせない
数知れぬ陶酔を味わわせてくれた
僕は永遠にお前のものだと誓うよ
パリ、どんなに心からお前を愛している事か






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「侯爵夫人さま、すべて順調でございます」「私の兵隊さん」 [音楽]

シャンソンの歌詞は、物語性があってドラマ仕立てになっているものも多く、つい当時の世相に思いをはせたり、引き込まれてしまうようなものも多いです。
まるで一つの短い小話やドラマを観ているようでもあります。

1936年の「侯爵夫人さま、すべて順調でございます」は、レイ・ヴァンチュラと彼のコレジアン(仲間たち)が
ヒットさせました。
侯爵夫人が旅先から留守宅へ電話をかけて尋ねると、召使いは万事好調ですと返事をしますが、実はとんでもない事が起こっていたと言う、ブルジョアに対する痛烈なブラックユーモアとして一世を風靡したそうです。
戦争の嵐が吹き荒れ、不安に怯えながらも、安逸をむさぼる当時の世相が反映されています。





もしもし、ジェームズ!
変わった事はございませんこと?
二週間も留守にしているから
気になって
電話をしてみたんですの
変わったことはございませんこと?

侯爵夫人さま、変わったことなどございませんとも
ご心配には及びません、すべて順調でございます
しかしながら、一応お知らせしたいことが
少し悲しいお話ですが大したことではございません
まあ何と申しますか、些細なことですが
グレーの牝馬が亡くなりました
侯爵夫人さま、それ以外は
ご心配には及びません、すべて順調でございます

もしもし、マルタン!
本当なの?
私の牝馬が亡くなったなんて!
説明して頂戴
あなたは忠実な御者なのだから
一体何が起こったの

侯爵夫人さま、何でもないことでございます
ご心配には及びません、すべて順調でございます
しかしながら、一応お知らせしたいことが
少し悲しいお話ですが大したことではございません
牝馬は残念ながら
火事で亡くなったのでございます
厩舎が燃えてしまいましたので
侯爵夫人さま、それ以外は
ご心配には及びません、すべて順調でございます

もしもし、パスカル!
本当なの?
厩舎が燃えてしまったなんて!
説明して頂戴
あなたは模範的な執事なのだから
一体何が起こったの

侯爵夫人さま、何でもないことでございます
ご心配には及びません、すべて順調でございます
しかしながら、一応お知らせしたいことが
少し悲しいお話ですが大したことではございません
侯爵夫人さま、厩舎が燃えてたと申しましたが
お城が火事に遭ってしまったからなのでございます
侯爵夫人さま、それ以外は
ご心配には及びません、すべて順調でございます

もしもし、リュカ!
本当なの?
お城が燃えてなくなってしまったなんて!
説明して頂戴
腰が抜けそうだわ
一体何が起こったの

侯爵夫人さま、実はですね
公爵さまがご破産なさいまして
その知らせに動転したあと正気にお戻りになり
その途端に命を絶ってしまわれました
倒れられたときに
ろうそくをみなひっくり返されましたので
お城は火に包まれたのでございます
火はあっという間にまわったのでございます
風も強うございました
厩舎まで燃え広がるのも早うございました
牝馬を助ける術もなく
亡くなるのを見ているほかになかったのでございます
侯爵夫人さま、それ以外は
ご心配には及びません、すべて順調でございます



「私の兵隊さん」は、1936年にマリー・デュバが創唱。
無名時代のエディット・ピアフを支えたレイモン・アッソが作詞、ピアフの親友だったマルグリット・モノーが作曲した歌。
一夜の恋で男性を愛してしまった、切ない女性の心を描いている反戦のドラマです。

戦争により愛する人を兵隊に取られ夫や恋人などを失い、失意のどん底で悲しみにくれた女性は大変多かったでしょう。
30年代40年代のシャンソンには、そういった心境を歌うものも多くみられます。
戦争から帰ったら2人でお店を持とうと約束していたのに、愛する人は帰ってこなかった、といった内容の「アコーディオン弾き」、その他にも、「今宵ただひとり」、「待ちましょう」など。。

別れ別れになった悲しみや傷を抱えた辛さを、このような歌によって共鳴し、分かち合っていたと思います。
歌にはそういった力があり、人々は癒されていたのではないでしょうか。





彼はとても澄んだ大きな眼をしていた
その眼は時々きらっと光った
雷雨の空に稲妻が走るように
彼は体中に刺青をしていた
その意味は私にはよく判らなかったけれど
彼の首の所には、<見られず、捕まらず>
心臓の所には、<誰も>
右腕には一言、<よく考えよ>と彫ってあった

私は彼の名前も何も知らない
彼は一晩中私を愛してくれたけれど
私の外人部隊の兵士は
彼は、私を運命に任せたまま
出撃して行った、その朝
まばゆく晴れたその朝
彼はすらりとして、美しかった
彼は熱い砂の、いい匂いがした
私の外人部隊の兵士は
彼の額に陽があたって
そのブロンドの髪が
輝いていた

幸福は失われ、去ってしまった
私はいつも、あの夜のことを考える
おそろしい絶望が私の心をむしばむ
私はずいぶん泣き、そして思う
彼が私の胸にいたとき
幸福だと叫べばよかったと
けれど彼には何も言えなかったのだ

彼は砂漠で発見された
彼のあの美しい眼を見開いたまま
空には雲が過ぎて行った
彼は刺青を見せてくれた
ほほえみながら、話してくれた
首を指して、<見られず、捕まらず>
心臓を指して、ここには<誰も>と
彼は知らなかったのだから、許してあげよう

けれど私は夢見る、運命が
ある晴れた朝、私を連れて行ってくれるのを
私の外人部隊の兵士の所へ
そして私達は二人だけで
どこかのすばらしい国へ行くのだ
光り輝く国へ
彼はすらりとして美しかった
彼は熱い砂の下に埋められた
私の外人部隊の兵士は
彼の額に陽があたって
そのブロンドの髪が
輝いていたのに



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シャルル・トレネー ラ・メール [音楽]

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シャルル・トレネー(1913年~2001年)

シャンソンは、人生の悲しみや喜び、愛の情景を歌い上げるといった歌が多く、中には少々重たいイメージの歌もありますが、軽やかなリズム、美しいメロディや優しいフランス語の響きにうっとりするもの多く、ままみは癒しをもらっています。

南フランスに生まれたシャルル・トレネーは、シャンソンにジャズのメロディを取り入れ、大戦前から沢山の明るい曲を生み出した、シャンソンの父とも呼ぶべき作曲家です。
特に有名な、「ラ・メール」などは全世界に広まり、アメリカでも恋の歌として「ビヨンド・ザ・シー」の歌詞をつけて、多くの歌手がカバーしています。

優しく温かな歌声で、軽やかな曲のみならず、深みのある曲やセンチメンタルな曲など幅広く歌い続けたトレネーは、素晴らしい詩人でもあり、偉大なエンテーティナーであった事と思います。


ラ・メールはフランス語で「海」ですが、人が人生を想う時、その雄大な風景から、憧れや神秘性、永遠性、詩情を感じるのは、多くの人が共感する所でしょう。




澄んだ入り江に沿って踊っている 金色の煌き


煌きを変る 雨の下


夏空に浮かぶ 白い羊

純粋な天使のような 青い海は羊飼い
いつまでも 見てごらん
岸辺の水溜りの 背の高い湿った葦を 見てごらん
白い鳥と 朽ち果てた家を


揺らしておくれ 澄んだ入り江に 愛の歌のように


揺らしておくれ 私の生きる心を


「ブン」という言葉は心臓の鼓動を表しており、舞台で踊り歌うトレネーのパフォーマンスを観て、ジャン・コクトーは「歌う道化師」という敬称を贈ったという話があります。




振り子時計は鳴る、チク、タク、チク、チク
湖の鳥たちは歌う、ピク、パク、ピク、ピク
グル、グル、グルと鳴くのは七面鳥諸君
きれいな鐘は鳴る、ディン、ダン、ドン

けれど、ブン!
僕等の心がブンと言うとき
何もかもいっしょにブンと言う
そして、愛がめざめる

ブン!
みんながブリング、ブルングと歌う
このブンのリズムに合わせて
耳のそばで、ブンとくりかえす

昨日から、すっかりみんな変わってしまった
そして街には窓の方を眺めている眼がある
リラの花が咲き、手をさしだしている
海の上には、太陽が昇ろうとしている

ブン!
お日様がブンと言う
何もかもいっしょにブンと言う
僕等の心が鳴るときには、ブン・・・ブン・・・、と

森の風は鳴る、ウーウと
行き場に困った牝鹿は鳴く、メーエと
こわれたお皿は音を立てる、フリック、フリック、フリック
ぬれた足の音はブリック、ブリック、ブラック

けれど、ブン!
僕等の心がブンと言うとき
何もかもいっしょにブンと言う
鳥もブンと鳴く 夕立だ・・・ブルル・・・

ブン!
稲妻が走るとブンと言う
そして神様もブンと言う
雲の椅子に腰かけて
だって、僕の恋は稲妻より激しく
鳥よりも、ツバチよりも軽いんだ
だから、ブンと言うときカッカとなったときは
まわりに奇跡をまきおこす

ブン!
世界中がブンと言う
何もかもいっしょにブンと言う
僕等の心が鳴るときには、ブン・・・ブン・・・、と

ブン!
世界中がブンと言う
何もかもいっしょにブンと言う
僕等の心がブンと鳴るときは
ブン・・・ブンとしか聴こえない
いつだって鳴るんだ・・・ブン・・・ブン・・・ブン・・・






※鑑定等でメールを送られる方へ
19日~23日の期間、メールがチェックできませんが、お返事は後ほど必ずしますので、ご了承下さい。

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ブラジルの水彩画 ~「海の奇跡」 ジョアン・ジルベルト [音楽]

aquarela(アクアレーラ)は「水彩画」との事で、この歌のタイトルは本来、「ブラジルの水彩画」となるのですが、「ブラジル」とか「サンバ・ブラジル」という曲名で、40年代から世界中に知られている歌です。

曲が魅力的過ぎたせいか、このサンバは何処でも聴かれるようになり、安っぽいサンバの代名詞にまでなってしまった感があります。
しかし、今でもブラジルの「もう一つの国歌」と呼ばれる程、みんなに愛されているサンバには違いありません。

ジョアンの名盤「海の奇跡」は、全ての曲を自身がプロデュースしており、天才のひらめきによって、ブラジル人の心に描かれる、美しい絵画のような演奏に仕上がっています[リゾート]





ブラジル
ブラジル人のわがブラジル
混血の同胞の国
おまえにわたしの詩をうたおう
ブラジル、サンバからわき出る
からだを揺する楽しさ
わが愛のブラジル
われらの主の土地

過去のカーテンをひらけ
闇から母なる黒人女をつれだせ
お祭りにコンゴの王様を決めろ
吟遊詩人よ、ふたたび歌え
あわい月の光のもとで
おまえの愛の歌のすべてを
わたしはあのご婦人の歩むすがたが見たい
サロンからサロンへと
レースのドレスをひきずりながら

ココ椰子のとれるココの樹
そこにわたしは網をかけておく
明るい月夜に
ああ、あの泉のせせらぎ
わたしが渇きをいやすところ
月が遊びにくるところ
おお、この美しい小麦色のブラジル
それがブラジル人のわがブラジル
サンバとパンデイロの土地

ブラジルは豊かな、楽しい土地
ぼくを冷たく見ている
移り気なモレーナ
ブラジル サンバからわき出るものに
世界中がびっくりする
わが愛のブラジル
われらの主の土地



「我が祖国のサンバ」
ジョアンが、歌っている表情を見るのも楽しいです




私の故郷のサンバはね
みんなをしなやかにさせてくれるよ
みんなで歌えば最高の楽しみをくれるよ

サンバを好きじゃない人は
普通の人じゃないんだね
頭が病気か さもなくば 足が悪いんだよ
私はサンバを聴きながら生まれて
ずっとサンバで育ったんだ
サンバに首ったけだし
離れたことなど一度もない



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セレナーデ・イン・ブルー [音楽]

ジャズのレコードを初めて買った時、確かグレン・ミラーだったと思います。
伝記映画の「グレン・ミラー物語」を見た事を思い出しました。

独自の演奏スタイルを築き上げ、スイングジャズの創始者とも言われるグレンですが、
生活が苦しい時代から愛する妻と二人三脚、次々のヒットを手掛けていきます。
J・スチュワートは本人と違和感ないルックス、夫人役のジューン・アリスンは庶民的な感じで、イメージとピッタリでした。

時代は戦争中、様々な戦地を回り慰問し、警報機が鳴り響く中、爆弾が落ちても演奏をやめる事が無かったと言う勇敢なエピソードもあります。
しかし、演奏のためパリへ向かう途中、搭乗機が撃墜されてしまいます。
クリスマスのパリではグレンがいないまま、予定通り放送が始まり、演奏中、訃報が入ると言うラストシーンでした。

ラジオから「茶色の小瓶」が流れる中、夫人が夫の写真を手にし涙するのですが、最後には微笑みを浮かべます。
これは、夫は生涯自分の生き方を貫く事が出来た祝福の微笑みだったのかも知れません。



セレナーデ・イン・ブルー オリジナルバージョン
「アメリカンパトロール」の中にあった、一番印象深い曲です。



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フランク・シナトラ 「オンリー・ザ・ロンリー」 [音楽]

フランク・シナトラの数あるアルバムの中で、飛びぬけているのが、1958年に録音された暗く重いバラード集、「オンリー・ザ・ロンリー」であると言う事に異論を唱える方は、あまりいらっしゃらないでしょう。
ジャケットの、暗黒をバックに悲痛に満ちたピエロ姿のシナトラ、これがこのアルバムの内容を物語っています。

歌われているのは、全て、失った恋をテーマにした、ブルー・バラードばかり。
シナトラは、哀しみの感情を、魂の奥底から表現しきっていて、それは見事なのです。
編曲はネルソン・リドル。
ドラマチックで重厚感のある最高のアレンジをしています。

このアルバムの中から迷いに迷って選ぶとすれば、ままみはこの3曲でしょうか。

「エンジェル・アイズ」は、
「サァ、どんどん飲んでくれ!目に付くもの何でも頼んで、皆、楽しんでいってくれよ!」
的なヴァースで始まり、
「あの天使のような瞳が、やっぱり僕には必要なんだ。ちょっと僕は席をはずすよ。彼女がいないとダメなんだ。探してくるよ。」
と消えていく、傷心の男心を歌っています。
「ワン・フォー・マイ・ベイビー」では、営業時間を過ぎたバーで、バーテンダー相手に語っているという雰囲気が、渋くて洒落れています。
「ブルース・イン・ザ・ナイト」の口笛は、孤独感をさそいます。

海千山千、修羅を潜り抜け、人生に深みを持った彼だからこそ、歌に説得力があるのです。
シナトラは、アメリカの光と影を生き抜き、良くも悪くも本物の大人でしょう。
今でこそ、20世紀最大のエンターテイナーと伝説化されていますが、そんな彼も、人気絶頂の頃を過ぎ、次のステップに上がるまでに相当苦しんだ時代がありました。
それをここでは語りませんが、彼の人生は、普通の人の何倍も浮き沈みのある激しいものでした。
そういった時代を経たからこそ、歌声は、ますます円熟して深みが増し、バラードは悲痛に充ちたものにも感じられるのです。

油の乗りきった、キャピタル時代の全盛期を過ぎたとしても、シナトラ自身の、辛く苦しかった人生経験が、磨き抜かれた表現力として、このアルバムの中で昇華しています。
それゆえ、彼の歌声には、リアルに胸に迫るものがあり、聴く人々を恍惚とさせるのでしょう。


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エンジェル・アイズ




ブルース・イン・ザ・ナイト




ワン・フォー・マイ・ベイビー




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アーティ・ショウ楽団 フレネシ [音楽]

アーティ・ショウは、30年代から40年代のスウィング時代を彩ったクラリネット奏者です[るんるん]

演奏したヒット曲は「ビギン・ザ・ビギン」「スターダスト」「ムーングロウ」など・・・
芸術家肌で、音楽には厳しいこだわりがあった彼は、大戦後、商業化した音楽業界に見切りをつけ、実力のピークにも関わらずクラリネットを置いてしまいました。
その後は、文筆活動をしていたそうです。
スウィング時代の白人ビッグバンドのスターといえば、アーティ・ショウと、同じくクラリネット奏者のベニー・グッドマン、トロンボーンのトミー・ドーシーとグレン・ミラーが、ビッグフォーと呼ばれていましたが、ショウの演奏はジャズというより、ポップス的な要素を持っていると思います。
音楽界を引退したショウを、誰より残念がっていたのは、彼の良きライバルでもあった情熱的なベニー・グッドマン。
硬派なジャズのグッドマンに対し、ショウはメロウでロマンチックなジャズ、といった対比が、ままみは面白いと感じています。

ロマンチストであった彼は、音楽だけでなく、映画スターと結婚を繰り返すなど噂の絶えない人でした。
ハリウッド界の美女中の美女、エヴァ・ガードナー、ラナ・ターナとも結婚し、ジュディ・ガーランドには振られ、といった具合です。
結婚の数は諸説あり、良く判らないのですが、繰り返す理由が、「自分はあまりにも真剣だったから」だったそうです。。

フレネシは、本来ラテンぽい曲調なのですが、ショウのバージョンが耳になれたせいか一番ぴったり来ます[るんるん]


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   フレネシ




今年はいろいろあって大変な一年でしたが、残りわずかです。皆様、良い年をお迎えください[ぴかぴか(新しい)]

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